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儀式の刻。私の胸は緊張でいっぱい。鼓動は早まり、多少呼吸が軽く乱れていた。
上手くやれるかな、ちゃんと出来るだろうか。
隣でスタンバイする獅子王くんを見る。彼は遠くを見ていて、こちらの視線には気づいていない模様。
いつになく顔つきが真剣そのもので、恐らく彼も緊張しているのだろう。
私は緊張を和らげるべく、人、と手のひらに書きそれをぱくりと食べるフリをした。
「何してんの」
「え、緊張を和らげる為の儀式」
「あー……人って書いて食べるやつ？」
「そう」
「意外と子供みたいなことすんのな、Aちゃんって」
「うるさい、ってまだ子供だし、未成年だし」
「今どきの中学生もそんな事しないだろ」
「そうなの？」
「適当に言った」
「嘘つき」
「ちょ、ぽかぽか叩かないでって」
彼は笑った。でもそのおかげで少しだけ私の緊張度が下がる。呼吸が落ち着いたような気がした。
少し思うのだが、獅子王くんといると落ち着く。素直に思った事を言えるし、彼とこうして話すだけで何か高鳴りが落ち着く。
頼りになる、というのかなんというか。
それに比べて三日月さんといると胸が落ち着かない。ザワザワしたり、ドキッてしたり忙しい。
…………そう言えば、三日月さんも見てるんだよね
「あー………」
「どうした？」
「落ち着いたのがまた、緊張してきた」
「忙しいな」
「これは儀式のせいじゃない、というか、なんというか」
「どういう事？」
「三日月さんのせい、かな」
「………ふーん」
そう言うと彼はそっぽ向いた。
何か気に食わないことでも言ったかな。
「じっちゃんに見られてるって思うと緊張すんの？」
「そ、ういう訳ではないと思うんだけど」
「じゃあ、なんで」
「………何、ムキになってるの」
「気になったから」
「えー……知っても面白くないと思うよ」
「面白いかは俺が決めることでしょ」
「そんなに気になるの？」
「………別に」
「どっちなの」
私が微笑むと、彼はまたそっぽ向いてしまった。
またなにか気に食わないこと言ったのかな。気になるんだけど………
「Aさま、獅子王、出番ですよ」
「はーい」
「分かりました」
刀を持って外へ出る。
獅子王くんが何故、そっぽを向いたのか。なにか気に食わないことでも言ったのか。それが気になって私は緊張など、忘れてしまった。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
