まつり・1 ページ25
夏といえば
「海！」
「花火！」
「西瓜かな」
「ちょっとA、そこは祭り！でしょ？」
「西瓜もだよ」
「いや〜夏祭りだよ。この時期が来たかぁ」
「獅子王、手伝い大変っしょこの時期」
「まあな」
「そっかぁ、あそこの神社の祭りそろそろって看板出てたね」
私、獅子王くん、アズサの三人で帰路を行く。
あれからというもの、耐性をつけよう作戦は有耶無耶となり、闇に葬られた。主に私の力強い押しによって。
じーじーと蝉が泣き、日光がアスファルトに反射する。そのせいでさらに暑く感じ、視界の奥には陽炎が見えた。夕暮れなのに、今日も暑い。
日陰を歩いていても、頬に汗が流れてく。
「あ、そうそうAちゃん」
「なに」
「今から神社来てくんない？兄様が頼み事があるんだって」
「頼み事？」
「うん。アズサも来るか？」
「私は用があるからなぁ〜」
「何ニヤニヤしてんの」
「べっつにぃ」
獅子王くんがアズサの足を軽く蹴る。「乙女に蹴りを入れるとは！」「お前がニヤニヤするからだろ」と二人きりで楽しそうな会話を。
少し獅子王くんの頬が赤い。焼けたのかな。
アズサは分かれ道に差し掛かると「じゃあね〜」とニヤニヤしながら立ち去った。
アイツ、あんなにニヤニヤしてると不審者扱いされるぞ。どっかの誰かさんみたいに。
二人きりで道を行く。
「暑いな」
「ね。獅子王くんはその髪、切らないの？暑いでしょ」
「んー、暑いけどうちの神社の風習で切れないんだ」
「へぇ、大変」
「本当は切りたいんだけどな」
彼はピースを作って、髪を切る真似をした。
ちょっと可愛いと思った。あどけない笑顔がなんとも。
彼と話している時に思う事がある。獅子王くんと話すと素直に何かしら話せる。三日月さんの場合は、素直に話すことが出来ない。
この差は一体なんだろう。
鳥居が見えた。彼と話していたらいつの間にか着いたようだ。
鳥居を潜り、狐のあいだを通る。シャッシャッと、地面を掃く音が聞こえた。
「兄様、連れてきました」
「獅子王、ありがとう。Aさま、こんにちは」
「こんにちは、小狐さん。頼み事って何ですか？」
「今度祭りを開催するのですが、その際儀式をするのです。双刃様に感謝をする為の」
「へぇ」
「それにて、双刃様の役をAさまにやって頂きたいのです」
はい？
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
