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「おかえり。俺にするか?俺にするか?それとも」
「選択肢おかしいし!大体何でここにいる!?」
「気になるか?」
コクコクと私は強く頷く。こんなに動揺したのは久しぶりだ。心臓がバクバク言ってる。
「この間、お主の友のアズサとやらに道であっての。そこでAの家はどこか聞いたのだ。それで」
「今日訪ねてみた、と?」
「そうだ」
「帰れ今すぐ」
「折角夫が待っていたというのに………」
「帰れ」
すると彼は頬を膨らませこちらへ近づいてくる。徐々に近づいてきて、彼は私の目の前まで顔を近づけてきた。何する気だコイツ。というか何故膨れているんだ。
「帰らぬからな」
「帰ってください」
「お義父さまにご挨拶をしておらん」
「義って字、今入れてませんでした?」
「お義母さまにはご挨拶をした」
「でしょうね、下に母は居ましたしね」
「とりあえず、お義母さまには許可を得た」
「なんの!?」
「何のだろうなぁ」
腕を組んで彼は笑って誤魔化す。なんの許可を一体得たというのだ。結婚?お付き合い?いやいや、辞めてくれそれはマジで。
「お義兄さまにも挨拶をせんとなあ」と彼はこぼす。やめて、お兄ちゃんが泣くから。色々と攻撃を受けて泣くから。外見の。
ってか、「さま」付けるのやめてくれ。そもそも、挨拶しようとするのを辞めてくれ。
すると部屋の戸から「コンコン」と音が鳴る。
「A、晩御飯出来たわよ。三日月くんも一緒に来てね」
「はい、お義母さま」
「ちょっと」
「なぜ止める?返事はせねば」
「いや帰ってくださいよ。困ります」
「大丈夫、ご飯を頂いたら帰る」
「………………」
「本当だ。よし、行くぞ」
* *
「む、このグラッセ美味しい」
「じゃあ、あげますね。私人参嫌いなんで」
「そうかじゃあ、あーん」
「……………」
「なんだ、してくれないのか」
する訳ないでしょ。
私は下へ降りて三日月さんと共に夕食をとっていた。母は外へと用事のため出ていった。その為二人きりの食事となった。
全く、先程からこの調子だ。いや、いつも通りといえばいつも通りか。
「夫婦みたいだな」「一口あげようか?」「将来はこんなふうに生活するのだなあ」との発言。いつも通りなんだけど、少し困る。
私が何故か無駄に意識をするからだ。傍から見れば夫婦に見えるのではないか、という事を。
なんか私、変わったな。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです!更新頑張ります、コメントありがとうございました* (2018年6月8日 17時) (レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー!いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです!これからも頑張ってください〜! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名もない茶葉 | 作成日時:2018年5月22日 1時