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放課後。
制服。
隣に男子生徒。
二人きり。
並んで帰る。
通学路。
……………私はこんな漫画に書いたようなワンシーンを送るだなんて夢にも思わなかった。
今、隣には獅子王くんが並んでいる。三日月さんよりは背は低いが、それでも私よりは高い。首を軽くあげないと、彼を見る事は出来ない。
今更ながら気づいたけど、獅子王くんも顔が整っているよね。
三日月さんとは違った美しさというか、なんというか。
「………………なんか、ゴメンね」
「いや、お前が悪い訳じゃないから謝る必要なんて無いだろ？」
「そう、何だけどね」
何だか、ゴタゴタに巻き込んじゃったというか。
アズサもアズサだよ。アイツが“擬似カレシ”なんて言うから、お互い何だか変に意識している気がする。
微妙に空いたこの距離が鬱陶しい。
しかも、そのうえ手まで繋いで帰れと来た。だけど流石に、それは勇気がいる。
やはり、三日月さんではないけれど、獅子王くんも男の人。緊張してしまうだろう。
「ねぇ」
「なに、獅子王くん」
「手、繋ぐ？」
私は立ち止まる。
「はぃ……………！？」
獅子王くんは口元を隠して笑った。
何、笑ってんだコラ。
「Aちゃんって、そんな顔もするのな」
「え、私どんな顔してた」
「んー、照れたような微妙な顔」
「ピンと来ないね」
「でも、そんな顔してたぜ。面白いな」
歯を出して、彼は笑った。
貴方こそ、そんな表情するんですね。
そう思ったのは心のうちに秘めておくとしよう。
彼はこちらへやってくる。そして、手を差し伸べて
「で、本当に、手、繋ぎませんか？」
「な、からかって」
「今度は本当」
「………恥ずかしいから嫌」
「男の人の耐性付けたいんだろ？」
「それは、そう、だけど」
「なら、手握って」
「私から？」
「うん」
彼は手を差し伸べたまま、待つ。
獅子王くんの顔を見ると、彼は頬を軽く染めて私を見ていた。
んえ、そんな顔で見ないでくれ。恥ずかしくなるから。
恥ずかしさで、震える手を彼の手の上に乗せる。指先に、彼の体温が伝わってきた。
指先って結構敏感な場所だということを、最近学んだ。触れた熱で、私の体温は上昇していく。
………やはり、耐性が無いせいなのか。
でも一つ分かったことがある。
三日月さんの時よりも心臓は痛くない事。
それが不思議だった。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
