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「前世ねぇ……………」



獅子王くんはそういうと、何故か口元が緩み出す。どうかしたのだろうか。





「兄様、覚えてる?じっちゃんが、俺達も神様だったとか言ってたの」

「ええ、覚えておりますよ。我々も三日月と同じく付喪神、だったとか」

「そうなん、ですか?記憶は………」

「俺達は覚えてないよ。だけど、じっちゃんは俺達と同じ奴には会ったけど、前世で会ったのは俺たちじゃない〜とか、よくわかんない事言っててね」





苦笑いして彼は言う。

彼らも付喪神、だったのかもしれないのか。三日月さんも付喪神、そして私はその三日月さんに会っている。


もしかしたら、彼らにも前世にて会っていたのかもしれない。それもまあ、三日月さんの言う事が正しければの話だが。






「本当だぞ、俺はお主ら………というより同じ容姿をしたお主らと会ったのだ」

「俺らのドッペルゲンガーと会ってたって事か?」

「む………それとはちと違うがそんな感じだ」

「意味わかんない、余計に意味わかんないよじっちゃん」

「その呼び名も前世にて、お主に言われていたぞ獅子王」

「すごい、偶然だな!」







獅子王くんは笑い飛ばした。小狐さんは少し眉をひそめて困った顔をしていた。

付喪神。

そういえば、彼等はなんの神様だったのだろう?






「むねもちさんは」

「宗近だ」

「なんの神様だったんですか?」






考えるようなポーズをとる三日月さん。顎に持っていかれた手は、とても綺麗で絹のような手、スラリと伸びたしなやかな指。

この人は頭のてっぺんから足の爪先、全て美しいんじゃないのかと思ってしまった。






「それがなあ。なんの偶然かは知らぬが、ここに祀られたものと縁があるのだ」

「縁………刀、ですか?」

「その通り。俺達は刀の付喪神だったんだ。そして、俺らを統率してくれていたのが、A。お主だ」

「わた、し?」

「ああ」







私がそんな立派なことをしていたのか。

しかも彼らを率いていたと来た。とてつもなく私、目立つ事をしていたの?今の私からは想像がつかないんだけども。

獅子王くんと小狐さんは、物凄く驚きそしてその事に感嘆を漏らす。







「………それあなたの前世が、真実だったらって話ですよね?」

「俺が嘘を言う男に見えるか?」

「……………疑わしいとは思います」

「まあ、出会いが出会いだからな」








三日月さんはそう言って微笑む。「主は変わらんなぁ」と彼が言ったような気がした。

かえりみち・1→←4



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設定タグ:刀剣乱舞 , 三日月宗近 , 獅子王   
作品ジャンル:アニメ
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです!更新頑張ります、コメントありがとうございました* (2018年6月8日 17時) (レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー!いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです!これからも頑張ってください〜! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名もない茶葉 | 作成日時:2018年5月22日 1時

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