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「嫌です。お金ないですし、学生の本分は勉強ですので」
「そんな事、良いではないか良いではないか〜」
「どこの悪代官ですか」
「そんな悪い俺とデートせんか？」
「ちょっと意味がわかりませんけど、デートしません」
「よし、では行くか」
「話聞いてます？」
彼は私の手を掴む。
すると指を絡めてきた。これはいわゆる恋人繋ぎだろうか。凄く掴まれてる。ガッチリと絡められた指のせいで、私の手は離れない。
大きくて男らしい手。だけど指は綺麗で、女の人の指みたい。
しっかりと掴まれた為、彼の体温が伝わってくる。今、お互いの体温が手で伝わり合っている。
私は男の人に手を握られた事がない。だから耐性なんて無いのだ。
少しだけ、私は熱くなっている。それが私の手の温度から彼に伝わらなければ良いのだが。
「では行くぞ！」
「何処に」
「俺についてこい！」
「引っ張られてるんですけどね」
少し歩くとバス停でバスを待って、来たそれへ乗る。
駅で降りて、電車へ乗る。乗った駅から5つ目の駅で降りる。
なんとなくで目的地が分かった気がする。
道を少し歩いて行く。小道を抜けると、それはあった。
「美術館、ですか」
「ああ。俺の見たかった展示品が、展示されているからな。付き合ってくれないか？」
「………いいですよ。芸術は好きですから」
「！なら、俺と恋人としても付き合って」
「それは違います」
「むう……」と彼は唸った。いや、当たり前でしょう。
私はあなたの事を好きとも、嫌いとも思ってませんからね。友人でもないし、想い人としても見てない。
なんか異様に好いてくる謎の人物っていう良く分からない新たなカテゴリに属してるんですから。
「ほら、行くなら行きましょう」
「ああそうするか………っと、おお」
「なんです」
「Aが手を引っ張ってくれるとは。嬉しくてな」
「……………」
「ははは、睨んだところで可愛いだけだから意味が無いぞ？」
「私の睨んだ時の表情ってどんなのなんですか」
「あまり顔は動いてないが、目線が鋭いな」
「怖くないと」
「ああ」
三日月さんのこの飄々とした感じ、なんだかムカつくな。
それもそれでいい所なのかもしれないが。
私達は美術館へ。私の分の入館料は三日月さんが支払ってくれた。元々そのつもりだったらしい。
「ありがとうございます」
「気にするでない。さて、行くか」
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
