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その次の瞬間、僕の握っていたはずの拳銃が、奪い取られ、同時に僕の体は、湊から引き剥がされるように投げ出された。
「…っ！」
すぐさま体を起こし、奪われた拳銃を取り返そうと思い懐に手を忍ばせ、短刀を握った。
しかし、夜巳と呼ばれた人物は、行動が素早いのか、僕が顔を上げる頃には、僕の額に銃口を突きつけていた。
思わず、身が固まり、銅像のように動けなくなってしまった。
「遅いね、君。そんなんでボクの動きを止められると思ってたわけ？ただのバカだね。」
夜巳と呼ばれた、推定10代後半の男は、僕を嘲笑うかのように見下し、鼻で笑った。
僕は何も言わず、頭の中で次の行動の準備をしていた。
すると、夜巳は、素早く引き金を引き、先ほど狼につけられた筋のような傷に、重ねるように弾丸を撃ってきた。
浅かった傷が、僅かに深まり、流石に痛かった。
その痛さに顔をしかめると、夜巳は、そんな僕を見て、楽しそうに笑う。
「もしかして、こういうの慣れてないの？」
言いながら、弾丸を僕の身体中に撃ちまくる。絶妙に急所を外してくるあたり、夜巳は、腕の立つ狙撃手か何かだろう。
僕の体に、絶え間無く傷がついていく。その傷口から、じわりじわり、熱を帯びた痛さが溢れ出す。
でも、痛いのか、熱いのか、分からない。どう区別すべきなのか、理解できなかった。
「ほらほら、早く逃げないと、君の体…撃ち抜いちゃうよ？」
逃げようとしても、その言葉が、声が僕を縛り付けるように、心に巻きつく。
心体ともに、動けない状態に陥った。
ついには、声も出なくなっている。
「湊さん、こいつ、殺しちゃってもいいですか？」
銃口で僕の顎を持ち上げ、無理矢理、視線を合わせてくる夜巳。深海のような深い闇に飲まれた目に、僕は息を飲んだ。
「殺すな。Aには、色々話したいことがある。」
「……はぁーい。」
湊にそう言われ、残念そうに返事をした夜巳は、僕の顎から、銃口を離した。
それにしても、話したいこととは一体なんだろうか。
湊の口振りからして、いい話が聞かされるとは思わない。
ならば、今更、話すことはないはずだ。
色々考えてみるが、どれもハズレのようにしか思えてこない。
「A、付いて来い。」
湊は僕を一瞥すると、颯爽と歩き出した。しかし、僕は、情けないことに腰を抜かしてしまって、上手く立てない。
立とうとすれば、足が震えて、生まれたての子鹿のようになってしまう。
「…ほら、手、貸して。」
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枯羽(プロフ) - ゆきさん» 良かったです！続編に行ったのでぜひ読んで見てください。リクエスト下さってありがとうございました！ゆきさんのおかげで、楽しく番外編を書くことができました。 (2018年3月19日 0時) (
レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 楽しめました！ありがとうございます笑更新楽しみに待ってます！リクエストに答えていただいて本当にありがとう (2018年3月18日 22時) (レス) id: 2de872441c (このIDを非表示/違反報告)
枯羽(プロフ) - ゆきさん» ど、どうだったでしょうか？恋愛系は、難しかったです…。うまく書けていないかもですが、楽しんでいただけたら、何よりです。 (2018年3月18日 22時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)
一応歌い手の、みにまーむ(プロフ) - 枯羽さん» そうなんですね！楽しみにしています！ (2018年3月17日 16時) (レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)
枯羽(プロフ) - 一応歌い手の、みにまーむさん» その謎は、続編にて解き明かそうと思います！ (2018年3月17日 16時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)
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