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「…ッ!?いっ!あ"ぁぁあ"ッッ!!」

拷問部屋に僕の悲鳴と、僕の体を痛めつける鞭の音、手足をつなぐ手錠の鎖の音が、響き渡る。

湊は、表情筋一つ変える事なく、僕の体に傷をつけていく。

もう何時間経ったかなんて、分かりはしない。会長は、僕らに拷問を与える時に、時間を設定しない。
拷問する相手が、満足いくまでするのが、決まりだ。

だから、命の保証はできない。運が悪けりゃ、死ぬ可能性もあるってわけだ。

僕は、前にも一度、拷問を受けた事がある。その時も、湊だった。
そしてその日は、一日中拷問にかけられていた。

湊は、感情の昂りをしらない。だからこそ、何時間でも、下手すりゃ、何年でも相手を拷問にかけられる。
前に、そう言ってた。

僕は、死ぬんだろうか……。この拷問部屋で…。

戦闘後ということもあり、体力的には平気なのだが、精神的にキツい。
体に刻みつけられる傷を見ると、精神が削ってていくような気がする。

いつのまにか、僕は身体ともに、弱っていたのかもしれない。

そう思っていると、湊が、徐に刃物を取り出した。

きっと、殺す気なんだ。僕のこと。

殺意を抱かせるほどまで、僕は、湊を縛り付けていた。
それに今気づくとはね……。もう少し、長生きできると思ってたんだけどな。

痛感している間にも、僕の体に刃物の傷が深く、刻まれている。

痛いとか、苦しいとかじゃなくて、ただただ、辛い。

湊の綺麗に整った顔に、僕の鮮血が飛び散る。

僕の手は、汚れているはずなのに、飛び散る血は、綺麗なんだなぁ。

もう、意識がなくなりそうだ。息をしづらくなってきている。再び、視界がボヤける。
骨の軋む音がする。手足だけじゃなく、身体中に力が入らない。

「み……な、と……。」

か細く吐き出された僕の声で、湊の名前を呼ぶ。
それと同時に、口の端から、口内に溜まった血が流れ出し、地面に落ちる。

湊の動きが止まる。

「こんな、僕を……許して、く…れ…。」

なんとか振り絞った声で、そう言い、笑いかける僕。
その瞬間、全身の力が抜け、一瞬にして意識が飛んで行った。
自分が生きているのか、死んでいるのか分からないけれど、視界が真っ暗だ。

こんな僕でも、天国に行けるのかなぁ。

行けるものなら、行ってみたい。

でも、何かを望む事ができるのなら、僕は、もう少しだけ、生きてみたかった。

前に誰かが言ってたな。


『今ある時間を、大切に過ごせ。死ぬ間際に、後悔しないように生きろ。』

って。

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枯羽(プロフ) - ゆきさん» 良かったです!続編に行ったのでぜひ読んで見てください。リクエスト下さってありがとうございました!ゆきさんのおかげで、楽しく番外編を書くことができました。 (2018年3月19日 0時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 楽しめました!ありがとうございます笑更新楽しみに待ってます!リクエストに答えていただいて本当にありがとう (2018年3月18日 22時) (レス) id: 2de872441c (このIDを非表示/違反報告)
枯羽(プロフ) - ゆきさん» ど、どうだったでしょうか?恋愛系は、難しかったです…。うまく書けていないかもですが、楽しんでいただけたら、何よりです。 (2018年3月18日 22時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)
一応歌い手の、みにまーむ(プロフ) - 枯羽さん» そうなんですね!楽しみにしています! (2018年3月17日 16時) (レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)
枯羽(プロフ) - 一応歌い手の、みにまーむさん» その謎は、続編にて解き明かそうと思います! (2018年3月17日 16時) (レス) id: 4774db47d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:枯羽 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月12日 14時

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