愛縁キエン (ページ7)

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『結成』ru／nb ページ7

ru

引っ越しして来てもうすぐ１か月になる
呼び方も“康二さん”から“康二くん”に変わって
“ラウールくん”から“ラウ”に変わった

ふっかさんは相変わらず家に晩御飯を食べに来るし
阿部先生は俺をだしに使って康二くんと連絡をとってる

まぁ、二人共康二くんの身に危険を及ぼす様な行動を起こしてる訳じゃないから邪魔しないけど…
康二くんは距離感がおかしいから何か起こるんじゃないかって心配なんだ

だからってわけじゃないけど
今日は康二くんの仕事について来てる

俺から行きたい。って言ったんじゃないよ

あの日、いつもみたいに阿部先生から康二くんに連絡があった

「創立記念日？
…あぁ…その日は仕事で…ごめん…
うん！また誘って！うん、またね」

「来週、創立記念日なんやね。ラウはどっか行くん？」

「行かないよ。家で勉強してる」

「休みの日はいっつも勉強やん。
友達と遊びに行って良いんよ。お小遣いも渡すし」

「友達いないし…趣味もないから」

そう言ったら、悲しそうな、寂しそうな顔しちゃって

「俺の仕事で良ければ見に来る？
俺のこと知ってもらいたいし。どうやろ？」

あきらかに俺を気遣った言葉だったけど
康二くんの仕事には興味があったからついて行くことにした。

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nb

今日は月に一度の“こーじネート”撮影日。

人気スタイリスト・こーじがモデルも務める雑誌の人気企画
俺も毎回こーじから指名をもらってヘアメイクを担当させてもらってる

「しょった～」

「康二、久しぶり」

人懐っこい子犬みたいな康二は
いっつも走り寄って来て俺に抱きつく。
恥ずかしいんだけど、可愛いからつい許しちゃうんだよね。

「康二疲れてる？肌が少し荒れてる」

「そんな事ないよ。めっちゃ元気やで」

なんてニコニコ笑ってるけど…
強がってるのはお見通しだから。
俺をなめんなよ！

「で？どうしたの？」

なんて優しく聞けば、ギュッと抱きついて肩に顔を埋めてくる

「ほんまに何もないねん…」

「そっかぁ～」

こういう時はあえて詳しく聞かないで優しく頭を撫でてあげる
で、終わった後に飯に行くのがいつもの流れ

「終わったら飯行く？」

「う～ん…行きたいんやけど…甥っ子が一緒に来てるから…」

「甥っ子？」

康二の目線が動いた方を見ると
モデル体型のカッコイイ少年？青年？が立ってる

「モデル志願？」

「そうじゃないんよ…いろいろあって…ラウこっち来て」

訳ありってやつ？
だから疲れた顔してんのか。