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「……ったく、ほら手当してやるから行くぞ!」
「え。いや、自分で出来るから平気で……」
「黙って一緒に来い」
「ハイ……」
このお兄さん怖い。青い髪で青いマスクのマスクドデュースめっちゃ怖い。本当に歳下か?
そして、私はピース・オブ・スパディル号に乗せられた。だから、私はこんな展開聞いてねぇぞ。
「みなさんおかえりなさい……そちらの女性は?」
「あ、えっと食い逃げした人を助けた変わり者です?」
辺りを見回しても姿が見えないし、なんなら気配もない。貴方の脳に直接話しかけてます。みたいに、声だけが聞こえる。
これが噂の先生。
「声しか聞こえない事に、普通は突っ込まないか?」
何も突っ込まずに話していたら、デュースに逆に突っ込まれた。小説読んでたから知ってる!なんて口が裂けても言えない。
「いや、その……何かを通して喋ってるのかなぁ、 と」
きっと誰でも普通は、そう思うはずだ。
というか、何処に居るの本当に。なんでこんなに、ハッキリと声が聞こえるのか不思議でしかない。
「ミハール先生、客にくらい姿見せてやれよ」
「先生……?」
元教師だから先生なんだよね、知ってる。と思いつつ、なんで先生って呼ばれてるの?感を出す。
知らないフリするの大変だよね。
「先生はな、昔は教師だったけど、今は狙撃手だ!」
「いつも何処から撃ってるのか、全然分からねェんだぜい」
「いや、そんな元教師いてたまるか」
「もっとオブラートに包めよ!」
私にそう突っ込むデュースだが、君だって同じ事思ってるだろ。と心の中で私は突っ込みを入れる。
「あ、ごめん。思った事が、つい声に……」
そう言って謝っている時だった。ヒラリと何か書かれた紙が足元に落ちる。
「あれ、何これ……」
思わず手に取り、内容を確認する。メモなのかは分からないが、少し殴り書きで書かれているようだ。
「えーっと?『万年根無し草のおれが、根の上に住んでてもいいのか?いいんです!イエスシャボンディ』……え、何これ。ポエム?」
「うわぁあああ!!?なんでそれがここに!!」
ポエムのような物が書かれた紙を引ったくる様に奪うデュース。あれこれ確か、シャボンディの時の冒険譚プロットだったはず。
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文ストオタクの一般人 - 成人済みなのに可愛いしかも強い、、、最高です!頑張ってください! (2023年5月1日 0時) (レス) @page30 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
鴨頭草(プロフ) - さくにょ@テスト終了まで低浮上さん» さくにょ様初めまして鴨頭草と申します。コメントありがとうございます。また、フラグのご指摘ありがとうございます。これからも引き続き応援の程宜しくお願い致します。 (2022年9月25日 3時) (レス) id: 8e13672abc (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ@テスト終了まで低浮上(プロフ) - オリ○ラたってますよ・・・!前作(前編)も読ませていただいていました!応援してます!! (2022年9月24日 19時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鴨頭草 | 作成日時:2022年9月24日 13時