8.依頼 ページ8
裕を見つめるAは一つの事を思い出した。
A｢そーいや、さっきも紅茶飲めてたわ！
幽霊なんて知らへんかったから何とも思わへんかった。｣
忠義｢なあ、横山くんにどんな落し物したか聞いたの？｣
A｢あ、あかん。
忘れてたわ、幽霊の進化に感動し過ぎて。｣
悪戯少年の様な笑顔を浮かべたAは、
フォークを咥えたまま、ペンを取り出した。
フォークを皿の上に置き真剣な眼差しになったAは完全に仕事モードへと移った。
A｢じゃあ、横山くん。
貴方は何処で、どんな物を落としたんですか？｣
肝心な依頼について質問された裕は、
何処か複雑そうな表情でまた顔を俯けてしまった。
A｢どうしたん？｣
裕｢……忘れてもうた。
凄い大事なもんやった筈やのに。
全然思い出せへんねん。
それが心残りで……。｣
忠義｢成仏出来ひんっちゅう事？｣
忠義の言葉に裕は静かに頷いた。
A｢…分かりました。
『何でも屋』谷沢A。
依頼解決し、
貴方を成仏させましょう。｣
ニコリ、と微笑むとAの隣に忠義が座り、
忠義｢横山くん、
俺とAに相談したからには大船に乗ったつもりでおってな？｣
忠義は通称ドヤ顔というものをすると、
A｢いっつも解決してんのは俺やねん。
お前がデカい顔すんなや！｣
Aが忠義を一発どついた。
(折角、ええ台詞言うたのに。
コイツのせいで台無しやわー。)
(うわ、口尖らせて、ムスッとしとる。
ええ事言うたのになー、とか思ってんのやろなー。)
(成仏、出来たらええんやけど。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：leaf。 | 作成日時：2016年8月11日 20時
