4.悩み ページ4
？｢……？
あの……。｣
色白な青年は何処か疑問を浮かべた表情で、
Aに声を掛けた。
A｢はい、何でしょうか？
あ、宜しければそちらの席にお座り下さい。｣
Aは茶菓子とティーセットを取り出し、
依頼者であろう青年を歓迎する姿勢で迎えた。
？｢あ、有難うございます。
あの、悩みを相談出来るって……？｣
来客用のフカフカの黒いソファに座り込んだ彼は、
辺りを見回しながら、
暖かい紅茶を用意するAに質問を投げ掛けた。
A｢はい、そのままの意味ですよ。
悩みがあるならご相談を……。
まあウチに来る人の悩みは専ら、
飼い犬探しとか落とし物探しなんですけどねー。｣
紅茶を机の上に置くと、
依頼者の反対にある全く同じデザインのソファ腰掛けるA。
目の前に置かれた紅茶に有難うございます、
と感謝の意を述べて一口啜ると青年は悩みを打ち明けた。
？｢あの、それなんです。｣
A｢へ？
何がですか？｣
自分で用意した茶菓子のクッキーをガツガツと食べているAは、
彼の言葉の意味を理解出来ていなかった。
？｢あの、僕の悩み。
さっき言ってたじゃないですか。｣
A｢あー、えっと飼い犬探し？｣
？｢えっと、そっちじゃなくて、
＿＿＿落し物を探して欲しいんです。｣
そう告げた彼は、
俯いておりAは表情が読み取れなかった。
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作者名：leaf。 | 作成日時：2016年8月11日 20時
