＿＿. ページ19
『それでさぁ〜…。』
場所は居酒屋の個室。
明日の依頼をこなすのには充分な情報を得た頃。
君はすっかり酔っ払ってしまっていた。
『もうね？
そんなことしらねぇ〜の、って！』
｢ね、ねえ。
ちょっと呑み過ぎちゃうかな？
ほら、もうお酒離して…。｣
彼女の手元にあるグラスを掴むと、
直ぐ側にある手に触れてしまった。
その手を無言で見つめる彼女と、
照れて何も出来ない僕。
｢あっ、ごめん！
嫌やったよな…。｣
『まるちゃん、むかしからなーんにもかわってないねぇー。
いっつもやさしくて、あかるくて…。
そんなまるちゃんのこと、わたし………。』
僕の謝罪の言葉を遮り、
少し触れていた僕の手を掴んで、
目を合わせて緩んだ表情でそんな事を言い始める。
見つめられ、手を握られている事によって、
僕の顔に熱が集まり始めている事が分かる。
『ずっと、ずっとすきだったんだぁ〜…。』
彼女はそのまま眠ってしまった。
｢僕も、好きやで。｣
でも、僕はもう優しくもないし明るくもない。
昔とは変わってしまった。
そんな事も知らない彼女はグッスリと眠りに就き、
僕はそれを眺め、
彼女の前では考えたくはないが、
明日の依頼についてを考えていた。
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作者名：leaf。 | 作成日時：2017年2月19日 20時
