私の事見えてる？【TN】 (ページ19)

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19話目ページ19

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"テン君を警戒していない"

これは嘘を言っている訳では無い。

テン君が私に気づいている状態で好意を伝えるのは初の試みだ

だからいつもの調子みたいに

｢テン君の事がほんっとに大好きだから、あんなリアクションになっちゃうけど許してね！｣

なんて言えるわけが無い

あれは最善策として言葉を選べたと思う

お互いがベンチに座ったところでコンビニ袋からアイスを取り出す

本当ならクンと半分に分けて食べようと考えていたのだが、テン君と分けることになって少し気分が上がっている

パキッと割った片方のアイスを渡しながらテン君の顔を見つめた

すると気難しそうな顔をしていることに気づく

なんて声をかけていいかわからず無言で前を向いてしまう

少しの沈黙があってから口を開いたのはテン君だった

｢僕のことを警戒してないってAちゃんは言ってくれたけどさ、｣

何処か寂しさをまとった口調におもわずアイスを食べかけた手が止まる

｢でもやっぱちょっと違和感があるっていうか｣

どこか誤魔化しているような言い方に引っかかった

依然として歯切れが悪いテン君はとうとう決心をしたのか私の目をしっかりと見つめて

｢クンといる時の方がどうしても楽しそうに見えちゃうんだ｣

そう言って席を立つテン君を見つめることしかできない

｢ごめん､僕用事思い出したから帰るね｣

先ほど渡したアイスを返されて､あっという間に公園から姿を消してしまった

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