自由（青） (ページ25)

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大「え、ヤス知り合いなん？誰？」

『や、ちょっと、な？』

あたしのことを見てそう言ってきたから

「うん…？」

なんか、どう答えていいのか分からなくて変な対応をしてしまった。

村「おいおい、どんな空気やねんな。
お前ら何かあったんか？気持ち悪いから外で解決しとけ！」

急に声を張り上げた八重歯が可愛らしいイケメンさんは

あたしと安田さんの背中を押して

楽屋の外に出した。

そして、バンッと扉を閉められた…笑

ドアの外に取り残されたあたし達は

ただ、ぼーっとそのドアを見つめるだけで

何もしようとはしない。

でも、このままなんてやだ。

なんとか。しなきゃ

「安田、さん、」

『うん、？』

「え、っと、その…」

『うん、』

「今日、かっこよかったです。
まさか、あのかっこいいバンドに安田さんが居たなんて気づかなかったです」

『ふは、ありがとお』

喋ってるときは緊張と不安で顔なんて見れなかったけど

前と何も変わらない、可愛い笑い声が聞こえたから

少しだけ、安心して前を向くことが出来た。

安田さんの顔を見たら

笑い声に合った、優しい顔で、すこし嬉しかった。

『俺こそ、Aちゃんがいたなんて分からんかったわ～』

「だって、そりゃ、あんな人じゃ見つかるわけないですよ」

『それもそやな、はは』

2人のあいだに少しの笑いが零れて少し場が和んだところで

安田さんは、あたしが1番触れてほしくない話題を振った。

『Aちゃんはさぁ、もう俺の路上ライブ来てくれへんの？』