ライター。(赤) (ページ15)

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「じゃ、またね。本当に楽しかったよ」

菜々「えぇ、行かないで～」

夜9時、新幹線の時間が迫ってきて

ついに菜々とお別れの時間となってしまった。

菜々はわたしを抱きしめたまま離してくれない。

「ふふ、一生会えないわけじゃないんだから、また時間会う日会おうよ。」

菜々「A～」

最近はたまにしか会えないからということもあるけど

中学生の頃からずっと一緒に居るのに

飽きずにわたしにすがりついてくれるのはすごく嬉しい。

わたしも、離れたくないのは一緒よ。

照れくさくて口にこそ出さなかったものの気持ちは一緒だ。

なんとか、泣きそうになってた菜々ともお別れして

行きとおなじ新幹線に乗り込む。

楽しかったなぁ

久しぶりの菜々、なんにも変わってなかった。

まぁ、数ヶ月で変わる人間なんてそうそう居ないのかもしれないけど、

わたしの知っている菜々でよかったと、安心した。

たまに不安になるからさ。

急に突き放されたらどうしようって。

怖くなる。

…元カレも同じ気持ちだったのかな。

わたしに突き放されないか不安だったのかな。

わたしは、結果あの人のことを突き放して別れてしまったけど、きっと辛かったんだろうな。

今更、同情したって

よりを戻そう、とはならないけど

今になって、あの人の気持ちがわかった気がした。