青春。（赤） (ページ7)

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『色々、な。

まぁ、話せる範囲で話してみ？
１回全部吐き出したらめっちゃ楽になんで。』

優しく、本当に優しくわたしの涙を親指で拭いながら

そう言ってくれるから

せっかく拭ってもらった涙がまた出そうになったけど

何とかこらえた。

「部活がね、上手くいかないの、」

『部活？だから、さぼり？』

「うん、さぼりっていうか、まぁ、そうなんだけど、なんていうか、その、...周りの子たちみたいに一生懸命になれなくて、

一生懸命な人を見ればみるほど冷めちゃう、

でも、頑張らなきゃいけないことは分かってるの、

わたしもみんなで最高の音楽を作りたいって思ってるし、

...でも、どう頑張ればいいんだろうって、考えれば考えるほどわかんなくなる。

もう、正直しんどい、...」

全部全部、流れに任せて吐き出した。

暗く重いこの思いを誰でもいいから聞いて欲しかったのは確かだったから。

『...それで全部言い切った？

どう？少し楽になったやろ。
だって、今まで誰にも言ってなかったんやろ？』

「うん、ちょっとすっきりした。」

『それはよかった、』

誰にも言えなかった心のモヤを

取り払ってくれたような

全部拭き取ってくれたような

爽快さがあった。

人は、誰にも言えない悩みを言えるとこんなにも気持ちがいい。