ふたりの教室（赤） (ページ6)

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『なんで、昨日俺のこと起こしてくれんかってん』

「気持ちよさそうに寝てたし、あなた不真面目そうだから授業とか受けなさそうじゃん」

『ふは、俺、どんなふうに見られてん、俺かて授業くらいは受けるわ』

あ～おもろ、

って笑ってる。

『ていうかさ、呼んでや』

「は？」

何を？

ダメだ、この人言葉が足りなすぎる

『名前、』

「名前？」

『俺、すばるっていうんやけど？』

「うん、え？」

『はぁ？お前ここまで言っても分からんの？名前で呼べって、』

「あー、そういうこと。」

「俺も、呼ぶから。
Aやったっけ、」

「うん、」

『そか、』

何故だろう。

ひとりになりたいはずなのに、

ひとりにならなきゃだめなのに

ダメだ、わたしこの人とすばると居ることに喜びを覚えてる。

楽しみを覚えてる。

わたしは、ダメなのに。

ひとりじゃなきゃ、ダメになってしまう。

この人に漬け込んで依存してしまう。

わたしはぎゅっと目をつぶって心を落ち着かせる。

そして、

「ご、めん。わたしもう行くね」

逃げるようにすばるから離れてしまった。