ふたりの教室（赤） (ページ5)

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次の日もわたしはあの空き教室にいた。

彼に会えるかもしれない、そう思ったから。

案の定わたしが教室に入ってから

すぐ彼は入ってきた。

『よう、』

なんて、顔色ひとつ変えないでしれっと現れた。

「……」

彼の、よう、の挨拶にわたしは反応することなく

わたしは質問を問いかける。

「あなたは、何かを抱えているの、」

言い切るように言ってしまったけど、

これは疑問形。

彼はうまく聞き取ってくれたみたい。

『さぁ、』

さぁ、って…。

意味がわからない。

『お前は、どう思うん、』

「わたし、は、」

わたしは、思ってるよ

きっとあなたは何かを抱えてるって

その何かっていうのは、知らないんだけど。

「わたしも、昨日思ったの」

『なにを？』

「わたしとあなたは似ているんだなぁって」

『ふは、そか。それで？』

「だから、わたしは、あなたも何かを抱えてる。そう思ってる。」

『…てことは、やっぱお前もなんか、抱えてんねや』

やっぱり俺ら似てんな

って、彼は机に突っ伏した。

「ねぇ、」

『……』

「……」

寝ちゃったんだ。

もうすぐ授業始まるのに寝てどうするの

そう思ったけど、起こさないで

わたしは、教室を後にした。