ふたりの教室（赤） (ページ22)

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わたしは架純ちゃんが話しかけてきてくれたことがすごく嬉しかった。

その日からわたしたちはすごく仲良くなった。

どこに行くにも一緒で

2人だけの世界だった。

わたしたちニコイチって思ってた。

中学三年生まで奇跡的にずっと同じクラスで

ほんとずっと一緒だった。

高校もふたりでおんなじとこ通おうねなんて

これからもずっといっしょね、なんて言葉を交わしてきた。

でも、もうすぐ中三も終わるよってくらいの時期。

わたしの人生が大きく狂い始めた。

「おはよう、架純ちゃん」

架「お、はよ、…」

この日の朝はあきらかに、架純ちゃんの様子がおかしかった。

元気がなくて、ずっと下を向いてた。

なんとなく、わたしを避けている、

そんな気もした。

「架純ちゃん、どうしたの、なんかあった？」

わたしがこう優しく声をかけても

架「んーん、大丈夫」

そう言って、なにも話そうとはしなかった。

でも、気づいてしまったんだ。

架純ちゃん本人から言われなくても

分かってしまった。

架純ちゃんは、クラスの一部の人間から

地味ないじめを受けていたんだ。