ふたりの教室（赤） (ページ21)

今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:20,491 hit

20 ページ21

両親を失ったわたしはずっと祖母に育てられた。

もともとわたしが住んでた家に祖母が引っ越してきて

ずっと二人暮しをしてた。

祖母は引きこもるわたしを怒るわけでもなく

ただ、ただ、慰めてくれた。

祖母「大丈夫よ、きっと。時間が解決してくれる。ゆっくり立ち直って。
辛いけど、ママとパパより幸せになってやるって思わなきゃ」

祖母はよくそんな言葉をわたしにかけてくれた。

結局、そんな優しい祖母に甘えてしまって

卒業まで1度も学校に行かないまま卒業してしまった。

でも、中学校になって祖母が亡くなった。

今度こそひとりになってしまったわたしは

すごく落ち込んで毎日泣いていたけど

それでも、ある日祖母に言われた言葉を思い出した。

“ママとパパより幸せになってやるって思わなきゃ”

よくそうやって優しい顔で

わたしのことを慰めてくれた。

そうだよ、わたしは幸せになるんだ

そう思ったの。

今度はおばあちゃんの分までしあわせになるって

その日から、中学校にちゃんと行くようになった。

親戚の人にたまに面倒見てもらいながらも

ママとパパと暮らしてた

おばあちゃんと暮らしてた

家で、一人暮らしをしながら。

最初クラスの子たちは受け入れてくれなかった部分があったんだと思う。

すごく、居ずらかった。

居場所がなかった。

でも、いつからか

あるひとりの女の子がわたしに話しかけてくれたの。

架「ねぇ、お友達になろうよ」

その子の名前は架純ちゃん。