貴方の左手の薬指（赤） (ページ22)

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すばるは優しくわたしを抱き寄せて

『Aがそんなに苦しんでたなんて気付かんかった、ほんまごめん』

そう言った。

なんで、どうして？

すばるは優しい、

優しすぎるよ、

こんなわがままなわたしをどうして怒らないでいれるの？

「わたし、たくさんひどい事言ったよ、？」

『酷くなんかないやろ？Aはずっと我慢してきたことを言っただけや、』

なんも悪ないよ、

って、わたしに優しく囁くから

わたしは生まれたての赤ん坊のように泣きじゃくってしまった。

「ごめんね、...」

わたしがそう言うとすばるはわたしを抱きしめる力を強くした。

『謝らんでよ、...』

わたしが泣いてる声だけが部屋に響いた。

するとすばるはわたしを抱きしめた体制のまま

『でもな、A』

「なに？」

『俺は、華を一生忘れへんし、一生愛しとるよ。』

そう言った。

なに？

また、わたしを泣かせようとでもしてるの？

ううん、そうじゃない。

すばるは、わたしのことをちゃんと考えて

ちゃんと華さんのことに蹴りをつけようとしてくれてるだけだね。