貴方の左手の薬指（赤） (ページ12)

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そして、現在に至る。

今は、きっと偽りのない愛で日々を過ごしてる

って、わたしは勝手に思ってる。

キスもすればそれ以上だってする。

どこからどう見てもわたしたちはカップルだと思う。

「ねぇ、すばる」

『...』

すばるの返事はない。

寝ちゃったんだ、...

寝てるから言えるけど、

「ほんとはさ、ずっとわたしだけを考えててほしいな、って」

『...』

「華さんを忘れて、わたしをずっとって」

『...』

「ふ、そんなの無理か、ごめんね、すばる。こんなわがままで、」

華さんはすばるにとって

一番の人だし、

きっと言ってしまえば、わたしなんかよりも大事な人だろう。

きっとこれからもずっと、

それだけは変わることは無い。

それでも、やっぱりすばるが華さんの話をするときは胸が痛い。

すばるが、もう指輪を付けてない左手の薬指を触るのを見るたび、

泣きそうになるの、...

どうして、最初に出会ったのがわたしじゃなかったのかな、

どうしてすばるが恋に落ちた相手がわたしじゃなかったのかな、

神様はいつだって意地悪だ、