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ある日すばるは言った。
『これ、外すわ、』
そう言って、わたしの前に置かれたのは
綺麗な指輪。
「え？どうして、」
いつも触ってたんじゃないの、
会いたいと、
いつも触ってた。
そんな大事なものを外してしまっていいの？
『もう、ちゃんとAと向き合うって決めてん、』
「ほんとに、言ってる？」
『おん、やからこれは大事に閉まっとく。』
「...そう、すばるがいいならいいんだけど、」
すばるは大事にアクセサリーが入っている箱に指輪を入れた。
その姿はどこかもう吹っ切れたような
そんな感じがしたから
わたしも何も言わなかった。
『A、』
「なに？」
『すきやけど、華のこともお前のことも』
「うん、」
『でも、今はお前のことを大事にするって決めた、やから、安心してな、』
「...うん、」
すばるはわたしを抱きしめてくれた。
優しくて、暖かかった。
「無理はしなくていいんだよ、華さんに会いたいって思ったなら会いたいって言っていいんだからね、華さんが恋しくなったなら昔話だって聞いてあげるよ、」
『おん、』
「だから、わたしを頼って、」
強がって、言った言葉。
ほんとは少し、すばるの口から華さんの名前が出ると苦しいけど、
わたしはすばるを支えるって決めた。
『おん、ありがとう』
すばるはまた、わたしを抱きしめた。
さっきよりも強い力だった。
きっと、泣いていたんだね。
顔は見えなかったんだけど、体が震えてた。
大事な人を失うと、人はこんなにも弱くなる。
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作者名：ふぅりん | 作成日時：2018年9月29日 19時
