天の色 (ページ6)

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ごページ6

｢マ…マ…佐野くん！｣

そう言って万次郎の名前を呼んだのはリーゼントの彼。

｢俺…3番隊の特攻やってます！
赤石っす！｣

声をかけられたにも関わらず万次郎は無反応。

視線すら向けない。

｢邪魔。
マイキーは興味ない奴とは喋んねーんだよ｣

堅ちゃんの威圧的な態度に圧倒されてすいませんとしか言えなくなる彼。

まあそうだよな。ふつう。

怖いだろこんなでかい人に邪魔とか言われたら。

万次郎がキヨマサという人物に近づくと、
キヨマサは｢お疲れ様です｣とペコッと
お辞儀程度の会釈しかしない。

すると、堅ちゃんがキヨマサのお腹に蹴りをいれて
強制的に挨拶を修正させる。

身体で覚えさせるタイプか堅ちゃん。

｢キヨマサー。
いつからそんな偉くなったんだー？
総長に挨拶する時はその角度な？｣

あまりの痛さにお腹を抑えながら苦しむキヨマサ。

そして噎せながらも返事をする。

｢は…はい！！｣

歯を食いしばりながら堅ちゃんを睨むこの男。

その男の前で立ち止まり視線を落とす。

｢なに堅ちゃんのこと睨んでんの？｣

そう聞いてみれば、視線を横にずらされる。

かと言って何かを言い返してくる訳でもない。

そりゃあそっか。

あたし無敵のマイキーの彼女だもんね。

あたしが万次郎の彼女じゃなかったら手出してきてたんだろうな。

そう考えると、キヨマサのことが凄くダサく感じた。

｢だっさ。
かっこわる｣

今の言葉が気に食わなかったのだろう。

今度はあたしを睨んでくる。

それを無視して金髪くんに近づく万次郎に目を向ける。

近づきズイッと顔を寄せれば、金髪くんは驚いてバランスを崩し尻もちをつく。

｢お前名前は？｣

万次郎を見上げる金髪くん。

彼は｢花垣武道｣と名乗った。

万次郎は少し考え込むと、

｢タケミっち｣

そう口にした。

彼のアダ名だな。

あたしも使お。

あたしはすぐに理解が出来たが、
タケミっちはそれが理解出来ていない様で
口を開け間抜け面を晒す。

｢マイキーがそう言うんだからそうだろ？タケミっち｣

堅ちゃんにもそう言われるが、何が何だか分からない様でタケミっちは困っている。

すると、突然万次郎はしゃがみ込み
驚きを隠せていないタケミっちの後頭部を右手で掴み問いかける。

｢お前本当に中学生？｣