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学校も終わり、今は学校の校門前で万次郎達が来るのを待っている。




「おそいなぁ、」




待っている間することもなくただただ空を見つめる。


雲ひとつ無い青く澄み渡った空。


こんな空を見た時はいつも万次郎に言われた言葉を思い出す。




・・・
・・





それはまだあたしが小さい頃。
いつも通りの日常だった。



『今日の空きれいだな』



隣で突然そう呟くキミ。


空を見てもいつもと変わらない晴天で。


いつもと違うといえば雲がひとつもないくらい。



『そう?
ふつうの空じゃん』



あたしは訳が分からなくて突然何言ってんの?とでも言いたげな視線をキミに送った。



『きれいじゃん。
さきの目と同じ色してる』



当時、この瞳の色のせいで色んな人から
避けられて生きてきたあたしからすれば
この瞳はコンプレックスの中の一つでしかなかった。



『……あたしはきらいだな、この目』



もちろんこの瞳をきれいだねって褒めてくれる人達もいた。


けれど、その言葉を素直に受け止めることが出来なかった。


罪のないこの青く透き通った空がどうも憎たらしい。


無意識に空を睨む。



『オレ頭良くないからさ、上手くは言えないけどさ。
こーゆー空の時さきのこと思い出すんだよ。
曇りがない青く透き通った空を閉じ込めたみたいなきれーな色の瞳に見つめられた時のこと想像して
いつも見とれるんだ』



あたしとは反対にキミは空を見つめどこか嬉しそうに微笑んだ。



『それにさ、目が空と同じ色とかなんかかっこよくね?』



今度は空ではなくあたしを見つめて
ひまわりのような満面の笑みを浮かべたんだ。



『また何か言われても他のやつの言葉なんか気にすんな。
俺の言葉を信じろ』



真っ直ぐな視線。


その奥には触れてはいけない深い闇の様なモノを感じた。


けど何故か目を惹き付けられた。



それからは影で瞳について何か言われても
万次郎から言われた言葉を思い出して気にしなくなった。

さん→←いち


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作者名:サキ x他1人 | 作成日時:2021年6月10日 1時

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