# 特定時間の許し ページ6
「おい」「なぁ」「おい」
「あー!うっさい、黙れ!!」
「お前が無視するからやろが!!」
さっきからスルーしてるのに一行に
声かけをやめてくれない。
「部活は!?」
「お前のせいで部活出来へんねん!」
「え?」
ふっと力が抜けたと同時に、足が止まる。
「何や?」
急に止まられたことに驚いたのか、
階段から落ちそうになる宮。
「どういう意味?」
「どういうって…。そんままや。
北さんに、許して貰えたか
聞かれて言葉に詰まってしもてん。
そしたらなんも言うてくれへんから、
こっちもスッキリせぇへんくなったんや」
「それで?」
「こんままじゃ集中させて貰えへん
はよお前から許してもろた伝えんと」
「勝手に嘘ついとけば?」
「お前、北さんが嘘見破れんとでも
思っとんか」
……確かにそうだ。
「困ったな」
「は?」
私は元々、宮侑をなんとなくで許さない
だけだった。
でも、今はどうだろう。
日頃の妬みが爆発して、彼のバレー人生の
道を邪魔しているのではないか。
セッターとして名高い彼から、
ただの能力に対しての嫉妬で
その立ち位置を奪っていいのか。
本当に、それで私は満足するの?
宮侑からバレーを取り上げる事が、
私の目的なの?
……それは違う。
「宮」
「だからなんや」
「…許してあげる」
「はぁ…?」
「バレーの時だけ、北さんの前だけ、ね。
日常生活では許さないから。」
頭にハテナが浮かんでいる様子の彼。
「私、君のこと元々嫌いだし、
ファースト奪われてもっと嫌いだけど、
君のバレーは嫌いじゃない」
「……おん」
「だから、さっさとバレー部戻れ。
北さんにも言え。
天音に許して貰ったんで、いつも通り
バレーさせて下さいって。」
まぁ、北さんは多分これも見破ると
思うけど。
きっと、目をつぶってくれるはず。
「…ええんか?」
「さっきも言ったけど、バレーしてる時の
君を許しただけだから。
日常の……クラスにいる時の君は
許してないから反省見せろよ」
じゃ。と靴箱から靴を取って学校を出た。
「…おいアホ。名前教えろや」
此奴……
バレーしてる時のお前を許してるだけ
だからな!?
日頃のお前のことはずっと恨んでるからな!?
そう叫びたい気持ちをこらえて、
私は すん とした表情で振り向いて言った。
「自分で調べろばーか」
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時