# 2年部に響く ページ48
2セット目 、前半点を取り合った後
音駒は一向に動かない…仕掛けない。
守られ続けられる音駒の点。
「…守りの、音駒」
思わず零れた。
さっきから気になるセッター、
… 孤爪研磨 。
冷静さはありつつも、センスと流れに乗る
稲荷崎のプレーとは相性が悪い。
だんだんミスが増えていた時だった。
「…右!」
思わず声が出た。
狙い通りボールは右に落下する。
2セット目、音駒の勝利で終了。
「A」
控えにいた北さんに声をかけられた。
「主将!あの、私」
「…見えたんやな?」
「…多分」
確信はないけれど、それでも
さっきのは合っていた。
守りも、何百のパターンがある。
でも、その中で分類していくと、
本質的にわかってきた気がした。
「あ、ドリンクどうぞ!」
慌てて準備していたものを差し出す。
「…天音、さっきなんか言うた?」
「あ、…右、って言った」
「やんな!?俺聞こえてん!!」
聞こえた … ?そんなバカな。
「あれだけ応援歌が響いてたのに?」
「…俺も聞こえたで」
「信じ難いけど、俺も」
治と角名も続けて言う。
「…2年部だけなんで聞こえてんの…?」
そう言うと、北さんが口を開いた。
「今は不思議よりも試合や。
使うもんは使うで。…惜しみなく、な」
目線が交わる。
「え、主将…?私まだ確定したわけじゃ」
「大丈夫や、自分を信じ。」
稲荷崎の位置を私も共に管理しろと……?
「宮、治、角名」
名を呼んだはいいものの、実際に何を
言えばいいのか分からず黙り込む。
「分かっとる、
失敗しても取り返したるから大丈夫や」
「Aの位置は正確やし、
俺らには聞こえとんねん、神さんの御恩やろ」
双子が笑った。
「A、俺らに言う事あるんじゃない?」
角名の言葉に私は息を飲み込んだ。
最終セットが始まる合図が聞こえて、
皆はコートへと戻っていく。
その後ろ姿に、私は声をかけた。
「皆」
「…何や?」
少し振り返った稲荷崎の選手達に、
意を決して口を開く。
「…頑張って。応援してるから、!」
角名が小さく笑った。
笑わないで、これでも頑張った方。
私だってもうちょっと掛ける言葉あったと
思うよ!?でも仕方ないじゃん!?
そう考えていると双子が不敵に笑った。
「結局応援してくれるんや」
「頑張んのも応援も当たり前やし」
「「ぶっ潰したんねん」」
コートに入っていく同級生達の背中は
私にとって尊敬できるものだった。
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時