大嫌いでした ［宮侑］

# 迷子決定事項否認 ページ46

それからご飯を食べ終え、選手達は

お風呂に入り終わり、私もお風呂を今

上がったところだ。

「お、A来たわ」

「勝手にノート開いたの誰です？」

何を囲ったのかと思ったら私のノートじゃん。

「俺じゃないよ」

「サムやで、サム」

「はぁ！？ツムと角名が

読み上げろ言うたやろが！」

「開いたのはサムやし！！」

「分かったから喧嘩すんな」

「「…おん」」

「宜しい」

双子同じ顔してる、超面白い。

「A、髪濡れたままやと

風邪引くで」

「北さんもはや慣れてません？」

「やってA疲れとるやろ、

今日は特に。」

「その理論上なら私以上に北さんの方が

疲れてますよね？」

「俺はええねん」

「北が珍しく暴論や…」

尾白さんが目を丸くしている。

しばらく雑談していると、どうやら

乾かし終わったようでスイッチを切った。

「ありがとうございました！」

「ええよ。…明日は練習試合やな」

「せやなあ…」

そう、明日はついに音駒と試合。

「音駒にもマネ居ないなら少しスポドリ用品

多めに持っていった方がいいですよね？」

「一応用意しとった方がええかもしれん。

いつも以上に忙しくなるかもやけど

堪忍な？」

赤木さんが顔の前で手を合わせた。

「そんな事言ってられないですよ、

そのためのマネですし。

皆さんのこと近くで応援してます」

「当たり前や」

夕練見に来て“ 侑 ー ！”って叫ばれると

女の子睨んで “黙れや喧し豚が”って

言ってる奴が何言ってんのさ。

「宮は応援しないどくね」

「はあ！？なんっでやねん！！」

「豚って言われたい女の子なんか

居ねぇよアホが」

「俺のサーブ邪魔せんかったら何も

言わへんわ！」

「どーだか」

隣でわーわー言ってる宮をひとまず置いて、

私は先輩方に話しかけた。

「音駒の主将さんって、黒尾鉄朗って

人であってますか？」

「あっとる思うけど…それがどないしたん」

「いえ、挨拶くらいは初めにしに行った方が

いい気がして。名前間違えたら失礼ですし」

大耳さんの問に私が答えると、どうやら

納得したようだった。

「一人で行動したらあかんよ？」

「迷子なったら探すのも一苦労やしな」

「なんせ東京やで、無理ないわ」

え、先輩方…？

「なんで私が迷子なる前提何です？」

「…もしもの話や」

いや、真面目な北さんからの“もしも”話は

限られてるんですよ。

私は２年部に目を移して言った。

「お前らも笑ってんの丸わかりだかんな？」

# 冷静な猫→←# 数センチ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す