大嫌いでした ［宮侑］

# 予知の特技 ページ43

明日が練習試合ということもあり、

皆張り切っている。

もちろん私も例外でなく、

いつもよりペンが走る。

… 右、今、後ろ 。

私の特技と言っていいのかは分からないが、

傍で一定時間以上見ていると

選手がどこへ向かうか分かる。

少し斜め前、とか

１歩下がるんだろうな、とか。

故に、ついつい “ 位置 ”を呟いてしまう。

「一時休憩」

気づいたら休憩がやってきた。

私はノートを放り出して急いでスポドリを

持ち、皆に配り始める。

「この時期クソ暑いわ、腹立つ」

「全くの同感や」

そんな2人をなんとかなだめて

私は皆にスポドリとタオル配布を開始。

終わらせて一息ついていると、

北さんがやってきた。

「A、ええか？」

「何です？」

「毎回なんか呟いてへん？」

「え」

北さんって、選手だけじゃなくて

マネージャーまで見てるの？凄いね。

「なんも無いんやったらすまん」

「あ、いえ…私、皆さんのこと見てると、

誰がどの位置でボールに触れるか

分かる気がするんです」

言ってしまってから、ハッとした。

これ、もしかして当たり前の事なんじゃ？！

北さんのことを伺うように見ると、

本人は珍しく驚いた表情を見せた。

「あ、えと。私の気のせいかもです！」

「…ほうか？せやけど、

ちょっと気になんな … 。」

そう言って北さんは立ち上がる。

「侑、治、角名、アラン、連、路成」

いきなり集められた４人。

北さんは真顔な表情で言った。

「軽くでええから試合してくれへんか？」

「いきなり何でなん？」

「…Aの能力試したいんや」

「北さん…？」

「大丈夫や、勘違いやっても誰も責めん。

せやけどちょっとでも予知的な特技が

あるんやったら見てみたいねん」

その主将としての圧に、私は

頷くことしか出来なかった。

















──────

／／訂正致します。

今、普通に“冬”って体で書いていたんです。

しかし、３年部すぐ卒業になりますし、

対し、春になって学年が変わらないのも

可笑しい。

変な所でご都合主義を嫌う作者は、時期を

“ 冬 ” → “ 6月下旬 ”というとんでもない

変更をさせて頂きました。

全話、湿気が強いだの、クーラーが強いだのと、

所々変更しておりますが

内容的に大きく変わるところは御座いません。

時間がある時に見直して下されば … ！

本当に、馬鹿だったと思います。

突然の変更申し訳ございません。

把握宜しく御願い致します。(翠恋依)

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