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# 労い言葉と御夕飯 ページ37

「皆さんお疲れ様です」

食堂に夕飯を運びながら労いの言葉を

かけた。

「Aすまんな。今ちょうど

手伝いに行こうと思っとったんや」

ミーティングを終えた様で、本当に

丁度立ち上がろうとしていた北さん。

3年達も頷いている。

「いえ、ゆっくりしといて下さい。

私は大丈夫ですから」

優しく言っても聞いてくれないだろうから

少し圧を込めて言う。

「ほ、ほうか…」

なんとか説得完了。

お盆に大皿、小皿、お茶碗、お椀、コップ、と

3往復くらいして運んでる時だった。

4往復目に台所に戻ると

「運ばんとあかんのこれ?」

宮侑がいた。

「そうだけど、宮も座ってなよ」

「別に俺は平気やし」

「私がダメ、ほらあっちで待つ!」

そう言うと、宮は何故か拗ねているような

表情を見せた。

「…なんで俺にはお疲れ様あらへんの」

「は?」

「北さん達も治も角名も理石も言われたんに

俺には言ってくれへんやん」

「さっき皆に言いましたけど」

「単独では俺だけ言って貰えてへん」

何でなん?と聞く宮は、お菓子を欲する

治の表情と少し似ていた。

私からのお疲れ様がそんなに欲しいのか…?

そう思ったが、単に自分だけ跳ねられて

いるのが気に入らないだけだろう。

私はお盆に色々乗せながら口を開いた。

「ごめんね。宮もお疲れ様」

「ほんまに今日も頑張ったでな、俺!」

ころっと表情を変え、日頃の自信満々な

宮侑に戻る。

「…お前、合宿だからって反省時間ないと

思ってんだろ」

「だって事実そうやんか」

…確かにそうなんですけれども!

「とりあえず座ってて!!」

「これだけ持ってくわ」

そう言ってお盆をひとつ持って行った。

いいって言ったのに…

そう思いながら、私もお盆を持って

机に置いていく。

「お、侑が手伝っとる」

「アランくん酷いわ、俺優しいねんで?」

「いや、ツムが自主的に手伝うのなんか

限られとーやん」

「んな事あらへん!」

そんな声を聞きながら、夕飯準備も

終了。

「合掌、頂きます」

「「頂きます!」」

「味薄かったらすみません」

一応保険。

「やっぱA料理上手や」

「優しい味すんなあ」

「サム取りすぎや!」

「うっさいわツム、早い者勝ちやし!」

「オッホホ w

新たな戦争始まってるよ(笑)」

「先輩あざっす!めっちゃ美味しいですわ」

そんな声を聞き、ほっとしながら私は

箸を伸ばす。

誰かと夕飯を食べるという事実が、

味噌汁と共に私の心を温めた。

# 言葉の儚さ→←# 有力な味見役



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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/  
作成日時:2024年2月16日 0時

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