大嫌いでした ［宮侑］

# 連休、合宿来たる ページ26

『電話掛けていい？』

『私お前とカレカノになった記憶ない』

(‪トゥルルルル)

夜の９時 。

彼奴から(断ったのにも関わらず)電話が

掛かってきた。

しょうがないのでスマホを耳に当てる。

「もしもし。何だよ、」

「オッホホ (笑)

ちゃんともしもし言うんだね」

「おーけー切るね」

「ごめんって」

電話をかけてきたのは角名倫太郎。

「で、要件は」

「今度さ、連休あるじゃん？」

カレンダーをちらっと見て、私は肯定した。

「奇跡の七連休ね。あるけど、それが何？」

「俺たち、そこで合宿するんだよね」

七連休の中で合宿か。

さすが努力を惜しまないな。

「へぇ、がんばー」

「いや、心無しの頑張れを聞きたかった

わけじゃないから。」

「じゃあ何よ」

「俺らの部活ってさ、マネ居ないじゃん」

そう、稲荷崎にはマネが一人もいない。

ドリンクとか絶対大変だと思う。

「居ないね」

「引き受けてくんない？」

「却下、おやすみ」

大変だろうが、面倒事は嫌いなのだ。

残念だったな、角名。

そう言って電話を切ろうとした瞬間

「Aか？」

「き、きた、北さん！？」

「ごめんな、俺が角名に頼んでん。

Aなら他の子みたいに色々言わんし、

侑が経験者言うとったから良ければって

思ってんけどいきなりすぎだよな」

「いえ、そんな事ないです

日頃お世話になってる分引き受けさせて

頂きます」

「A。俺泣くよ」

「角名かよ、北さんと喋らせろ」

「残念時間切れです。ってことで

マネの件宜しく。それじゃまた明日ね」

そうして切られた電話。

……嵌められた。

てか、宮侑何私が経験者な事バラしてんだ。

…まぁ、要らないことは言ってないだろうが。

何だかんだ言って、本人達(主将直々)に

近くでサポートする権利を貰えたのだ。

やるならとことんやり切って

やろうじゃないか。

私は連休に思いを馳せながら眠りについた。

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