# 誇りある権利 ページ21
「…どーも。」
「ほんで?誰に言われたん」
「何が?」
「脅されたんとちゃうん?
俺とかサムとか角名とかと話したら
秘密バラす…的な」
此奴、セッターだけじゃなくてエスパーも
一人前かよ。
「……別に」
「言え。」
「何もないって」
「…一人で抱え込みすぎ言うたはずや」
そういった宮の瞳は、きたさんとはまた違う
圧を感じた。
「…名前は分かんない。
多分 4組の子達だと思う」
「何を根拠に言われたん」
宮には過去を話したし … いっか 。
「お母さんのこと」
息を飲んだのが分かった。
そか、と一言で終わらせてくれたのは
彼なりの優しさだろう。
「ほら、もう帰りなよ」
「ほんまに大丈夫なんか」
「大丈夫 、明日には学校行くから」
完全に外が真っ暗になっていたのに気づき、
宮を帰るように促す。
「途中で倒れんよな」
玄関まで見送りをすることにした。
「大丈夫だから。明日には元気な
天音Aが復活してるって。」
心配そうな此奴を安心させるために
何度も同じ言葉を繰り返した。
「言うたからな」
「ん、もちろん。」
「ほな、帰るわ。じゃーな」
「うん。ありがとうね」
「当たり前の事しただけや。」
そう言って夜の闇に消えていった宮侑。
私はベッドに寝転がり、
ゼリー飲料を口にする。
冷たくて美味しい。そう思いながら
先程の会話を思い返した。
彼奴は、
私が宮侑を失わない事を人生賭けて
証明する … か。
小さく笑いがもれた。ほんと…バカな奴。
ファーストキスもセカンドキスも私から
奪っていった癖に、カッコイイこと
言いやがって。
こうなったら、もう後には引き下がれない。
明日からは、ファーストもセカンドも
奪ったこと、絶対許してやんない。
文字通り一生償わせてやる 。
そう思ったら心がふっと軽くなった気がした。
痛いファン達がなんだってんだ。
私は私が一緒に居たい人といればいいだろ。
お母さんだって、きっとそれを望んで
くれているはずだ。
何を今まで弱気になっていたのか。
本当に私らしくない。
私は天音A 。
宮侑を許さないこと、治とお菓子交換をすること、
角名と言い合うこと、北さんと話すこと。
それは私の誇れる権利だ。
自分らしく生きよう。
過去から今へと塗り替えるためにも。
ゼリーを食べ、その後飲んだ
風邪薬が効いてきたのか、私は眠気に
襲われた。
意識を失う前に見たのは、一ヶ月前 、
4人と笑い合う自分の笑顔だった。
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時