大嫌いでした ［宮侑］

# 日常崩壊 ページ12

それから約１ヶ月が過ぎた。

私は、特に変わることもない日々を

過ごしていたが、強いていえば …

「今日は何？」

「いい加減、離れてくれない？」

「誰から？」

「治くんと倫太郎くんと北先輩と …

なにより、侑くんと。」

「知らないよ、あの人達が絡んでくるだけ」

「なにそれうっざ(笑)

侑くんとキスしたんでしょ？有り得ない」

「私だって願い下げよ。

不本意の事故だったんだから」

……そう、宮侑ファン(悪質)に

捕まってしまったことだ。

それにしても、

放課後呼び出しって、どれだけ昭和よ。

顔も見た事ない…

(多分違うクラス)女の子達を

内心馬鹿にしながらも、

私は４人に囲まれていた。

「もう話しかけないでくれる？」

「私から話しかけることないし」

「話しかけられても無視して」

「私になにかメリットある？」

「……黙っていたら、お母さんのこと、

クラスの皆に黙っててあげる」

「は、…？」

口角を上げた彼女たち。

「なんのつもり、？」

「好きな人のためなら、なんでもする。

汚い手を使ってもね」

担任買収 … か。

母のことを出すなんて 、どれだけ

最低なわけ？

人として、有り得ない。

そう思ったけど、私は口を噤んだ。

教室で話が回ったら、きっと哀れんだ目で

見られるに決まってる。

そんなの、耐え切れるわけないじゃない

「… 分かった」

悔しくそう言うと、彼女達はよろしくねー！

と去っていった。

私は一人、両手を握りしめる。

… 北さん。治 。角名 。

そして、…… 宮侑 。

君たちと話した日々は、楽しかったよ。

今までありがとう 、さよなら 。

私は震える手で、角名の個チャをブロックし、

グルラを退会した 。

大嫌いなはずなのに …

なんで、頭の中にいちばんに浮かぶのが、

北さんでも治でもなくて …

お前なんだよ __________ 宮侑 。

# 答えのない問い→←# 賑やかを呼ぶ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す