# 事の始まり ページ1
今日も今日とて、ここ、稲荷崎の
クラスは賑やかだった。
「宮くーん、髪切ったの!どう?」
「おー、ええやん」
「見てないじゃん ッ !!」
…… うるさ 。
本をぱたんと閉じて、
私はクラス中心部に目をやる。
男女問わず楽しげに話している彼は、
宮侑 。
高校生No.1 セッターという異名を
持つバレー部。
そして同時に ……
私、天音 A が大嫌いな人物だ。
モテるのは当たり前だと思うが、
君のファンのせいで私がこれまで何度
廊下を遠回りした事だろう。
面倒くさがりの私に遠回りさせるなんて、
そこでまず減点。
かと思いきや、私が好きなバレーも
文句無しに上手いという。
実際に見てしまったのだから、実力を
認めざるを得ない。
彼は、私が持っていないものをふたつも持っている。
人望と、最高の立ち位置 。
それが何ともいけ好かない。
妬みだというのは重々承知だが、
ここまで来ると全てが嫌いになってくる。
羨ましくて仕方ないのだ。
才能へ対しての嫉妬は、私一人じゃ
どうなる事もない。
にこにこ笑っている彼を見て、私は
イラッとしながらも
(勿論、私欲のイラつきなので
ふとした時に自己嫌悪に陥る事が日常茶飯事だが)
本を返しに行こうと席を立った 。
わーわー騒いでいる皆の後ろを静かに
通って教室を出る
…… はず、だった 。
「何言ってんだよ ー (笑)」
そう言ってどん、と彼の背中を押したクラスメイト。
倒れる前に棚に手をつこうと反射的に
後ろを向いた宮 。
だが、そこにあったのは棚ではなく私であり …
( ! )
いきなりの重さに耐えきれず私は倒れそうに
なる。
宮侑は、自身もフラつきながら私を支えようと
手を伸ばした。
…… それがいけなかったのかもしれない 。
勢いよく引かれた手は、止まることを知らず、
体制的にかがんでいる状態の宮との距離 0 cm 。
唇には少し暖かい何かが触れていた。
思わぬことに目を見開いていると、
彼の驚いた瞳と目が合った。
クラスが静まりかえる中で、まだ状況が
分かっていない私から急いで離れる宮。
満 3 秒程してやっと理解した私 。
「…… 宮」
「ど、どしたん … 」
「絶対 … 許さないから」
睨みつけて、勢いよく教室を飛び出す。
これが、彼奴と初めて関わった時の事だ。
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時