# 水 ページ5
「起きろ」
「黙れ阿呆…」
「お前が起きんと俺も立てんやろが」
「はぁ…？」
煩い声にぱちっと瞳を開けると、なせが
視界は45度ほど左に傾いていて。
先程声がした上の方に目を向けると
宮がいた。
… " 宮がいた " ？
ハッとして姿勢を正すと角名から
宮侑に寄りかかって寝ている私の写真。
『消せ』
『絶対無理』
「嫌いな奴に…」
「せめて心ん中で言えやアホ」
人格ポンコツが何さ。
「なんで起こしたの」
窓を見ると外は暗い。
時計を見るとちょうど中間だ。
「トイレついでに休憩や。酔わんようにな」
「…なら御手洗行く」
「おん、ついでに外の空気も吸ってき」
頷いて、外に出る。
トイレを済ませ
澄んだ空気に浸りながら自分の席に座る。
宮は私が戻ってきた時にはいなかった。
彼奴も外の空気に触れに行ったんだろう。
私は治のところへ向かった
「寝てる…」
なんか、可愛く見えてきたわ。
私はスマホを出し、かしゃっと一枚
こっそり撮ってから席に戻った。
「あれ、帰ってきてる」
いつの間に帰ってきたのか、スマホを
触っている宮侑。
「宮は寝てないの？」
「寝てへん」
朝ランニングへ行くのが習慣付いてるのに
夜の就寝は遅くても大丈夫なのだろうか。
「…もしかして重かった？」
「は？」
「寄りかかってたから。」
「アホか。ただ単に眠ないだけやし」
「あっそ」
私のせいかと思って内心ヒヤヒヤした。
迷惑かけるのは違うから。
「それでは出発致しまーす」
そう言ってバスの扉が閉まった。
「あ、…」
しまった、水買ってこようと思ってたのに。
しかし、今更もう遅い。
喉の乾きは我慢するしか無さそうだ。
落胆していると、宮が小声で声を
掛けてきた。
「どしたん」
「…水買うの忘れてた」
私も同じように小声で返す。
宮侑は無言で、バックからペットボトルを
取り出した。
「やるわ」
「え、」
「ちゃんと新品やで」
そこは心配してなかったけど。
「宮は？」
「俺はどっかのアホと違ってちゃーんと
水買いに行ったからな」
たしかに宮の手元にはペットボトルが
握られていた。
…じゃあ、なんで２本目買いに行ったんだ？
というか、バックから取り出された割に
このペットボトルの水、冷たい。
なんで…？
そう思っていると、宮侑は再度口を開いた。
「ええ子やから水飲んで早よ寝ーや」
小声だからだろうか、
やけに優しい声だった気がする。
私は頷き、水を飲んでそっと目を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
乾すぅ - 翠恋依さん» まじで自信持ってｯ！！神作品だから！！更新頑張れ〜！！ (4月13日 14時) (
レス) id: 4514fc7d15 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 乾すぅさん» ハイキューです！ユニークな友達だね笑 、。そんな事ないよ、？？でもありがと、嬉しいー！！ (4月12日 20時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - ハルスケさん» それは…大変ですね （ ）、。楽しみに待って貰えていて嬉しいです。最新話を一刻も早く書き始めますね！！ (4月12日 19時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
乾すぅ - ハイキューだっ！！友達が良く言ってる「ツッキー突き指大丈夫？」が好きwwというか、みれいちゃんほんと何作っても神作品じゃんっ！！最高ダァ (4月11日 17時) (レス) id: b372d3bc03 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 気になって一睡もできる気がしません (4月11日 17時) (レス) @page41 id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翠恋依 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時：2024年2月29日 17時
