生徒会長命令、適応外［ 桃 ］

# 悪態 ページ18

「あれ、今日は会長のところ行かねーの？」

『…気分じゃない』

「珍し、明日雨じゃね？」

「一周まわって快晴だろ」

『本人の前で言うことじゃないよね』

軽口を叩くのも、今日は何だか調子が悪くて、

さっきまでの授業も何だか上の空で。

「そーいえば、さっき会長と吹部の部長が

廊下歩いてたわ」

クラスメイトのその声で、ノートに目を落としていた

私は、ばっと顔を上げた。

『それ、ほんと？』

「本当だけど。」

『…そ。』

吹部の先輩って、めっちゃ美人じゃん。

性格よくて、容姿が完璧で、。

さらさら私に勝ち目なんて無かったのに、

なんで私に近づいて期待させたの。

無意識に惚れさせて、でも彼女持ちなんて酷いよ。

… なんて、行き場のない気持ちを

全て先輩に八つ当たりする。

最初から、問題児の私にそんな事言う権利なんて

ないのにね。

分かってるくせに、すぐ諦められないなんて

馬鹿みたい。

いむくんも、まろ先輩も、協力してくれるって、

そう言ってたけど…。

何すればいいのか、分かんないよ。

恋愛初心者すぎて、分かんない。

元から、釣り合ってなかったんだろうね、きっと。

心の中で自分に悪態をついては小さく笑う。

いきなり黙った私を覗き込む同級生を置いて、

私は教室を後にした。

「何処行くわけ？」

『…サボり。』

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