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気がつけば年も明け、桜が咲くであろう時期になった。
卒業式前日。当日は生憎にも雨だろうと予報された。
その日電話で呼び出されたのは何時もの狭い公園。ベンチと小さい六段のｼﾞｬﾝｸﾞﾙｼﾞﾑと小さい滑り台。そしてブランコ。その全ての思い出を思いだし乍僕は電話の主を待った。
詳しい天気予報によれば今日は夜遅くから雨だ。
現在時刻確か午後七時。
未だ彼奴は姿を見せない。
唯、ブランコ近くの桜の木が少し蕾を見せている。
「御免」
やっと彼奴が来たのは確か七時半。
ブランコに乗りながら手を振った。
「いいや、別にいいけど。んで話って？」
そんなの聞かなくたってわかってる癖に何も知らない振りをする。
「何って、知ってるでしょ？」
当たり前かの様に聞かれた
「今は知らない。知ってたとしても忘れた。でも次にお前が何を云うかはわかる」
「ほら、知ってたんじゃん」
「俺がそんな鈍感だと思ってたのかよ」
久々に自分を俺と呼んだだろうな。
今まで一人称なんて意識してなかっただろうに
僕は小さく溜息を吐いて、言葉を続けた
「でも、その言葉は言わせない。」
「え」
なんて呆気な顔をするもんだ。
「知ってるからこそ聞きたくない。言わせないし僕は聞かない。」
「え？何いって…」
「わからねぇのかよ。こんな関係望んでねぇってよ!!!」
「は？」
もう自分が何を言ってるのか、何を考えてんのかわからなかった。
「唯、お互い嫌いながらも笑ったあの頃が一番楽しかったのにな。」
「だったらこれからも…」
「もう無理だよ。あぁ、もう終わりだ」
「は？何いってるの？」
「面倒なんだよ。全部。」
「はぁ、私がどれ程あんたに依存してたか知ってる？」
「知ってる。」
「そんな冷たい事云うの。」
「確かに依存させるよう行動したのは俺だけど」
「ほら、分かってるんでしょ？もう無理だって…ねぇ」
雲行きが怪しくなってきた。雨が降りそうだ。
ぽつり、ぽつりと水が肩に落ちた。
あぁ、鬱陶しい。雨も御前も
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作者名：海が見たい | 作成日時：2017年5月7日 21時
