コーヒー、一杯《桃》 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:411 hit

二杯ページ3

．

見た感じは大人びていたから30代くらいかな。

重岡「なしたん」

「…あわわ、かっこいい…」

重岡「げ、こいつ…」

私の様子に気付いた重岡くんは私の目の前でフラフラと手を振った。

でもその奥にあるお客さんの方が気になって、夢中に見つめていた。

パソコンをいじるお客さんを見つめていると、お客さんはコーヒーを一口飲んでまたパソコンをいじり始めた。

多分、もうぬるくなってるよ。

お盆を抱えたままお客さんに見惚れてる私にビンタを食らわせた重岡くん。

「った！何すんの！」

重岡「お客来てるやろが！」

私からお盆を取り上げて湯気がふわふわとたつココアを女のお客さんの方へ持っていった。

ポン、

ごゆっくり、と女のお客さんに言った重岡くんは私の頭にお盆を置いて微笑んだ。

重岡「お前さんの初恋が、なんか注文しとるぞ」

お盆を受け取って、お客さんの方へ歩く。

「どうしましたか？」

『コーヒーを、もう一杯お願いします』

あぁ、好きだ。