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食事を終えて、コーヒーを飲んでいると搭乗口に移動する時間が迫っていた
荷物を持って、ラウンジを出る前にドリンクコーナーからソーダ水のボトルを取ろうと手を伸ばす
「 「 あっ 」 」
側に立っていた男性と同じボトルを取ろうとしてしまったようで、微かに手が触れ合う
「sorry」
手を引っ込めて、隣のボトルを取り出しながら顔を上げると、キャップにサングラス、マスク姿の男性が驚いたように私のことを見ていた
軽く会釈をしてからラウンジの外へと歩みを進める
誰だったんだろう
どこかで会ったことがあるような、、、
そういえば、手が触れてしまった時、「あっ」って聞こえたような、、、
日本の人、、、?
マスクをしてたから分からないな
サングラスもしてたし、、、
そんなことを考えながら彼の目元を思い返していたその時
ふっとある人の顔が思い浮かぶ
もしかして
そう思ったときにはもう今歩いてきた道を引き返していた
キョロキョロと辺りを見渡しながらラウンジへ戻るが、そこにはもうあの男性の姿はなかった
はあ、っと息を吐き、何をしているんだろうと思いながら、もう一度搭乗口へ向かい始める
サングラス越しに感じたあの視線
信じられない、あり得ないとは頭では分かっているけれど
あれは間違いなく今市さんだったと自分の感覚が訴えかけていた
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作者名:はるまき | 作成日時:2024年1月19日 17時