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「俺さあ、Aちゃんに会った時、どこかで見たことあるな、って思ったのね」
何かを思い出すような様子の岩ちゃんに再び視線を戻す
「前のイベントの時、、、あの隆二さんも参加してたイベント!あの後、話題になってたよね?あのモデルは誰だ!?って」
「あ、そうなの?まあ確かに。オーラがあるもんな」
「臣さんもそう思う?The美人って感じだしね」
「思う思う。今日楽屋に挨拶に行かせてもらった時、ちょっと怯んだもんね」
「わかる。でも話すと気さくな感じで。隆二さん、ライバル多そうだね〜」
「そうだぞ、隆二。怯まずいけよ」
「へ?」
急に話が自分に向いて、素っ頓狂な声が出る
「いや〜でも俺のことボーカルだと思ってたの面白かったわ。やっぱり俺と臣さん雰囲気似てるのかな」
「ね、アメリカにいたから疎いんですって言ってたけど」
「隆二さんのことは知ってるっぽかったけど。あれ、元々知り合い?」
「いや、何回か会ったことあるんだって。イベントとか、空港とか」
臣の発言に、さっきの会話しっかり聞いてたな?と言いたくなる気持ちを抑えて、窓の外を流れる景色を見つめる
次に会えるのはいつだろうか
そんな思いとともに、別れ際の彼女の笑顔を思い出す
不意に感じた切なさに気付かないフリをするように、静かに目を閉じて意識を手放した
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作者名:はるまき | 作成日時:2024年1月19日 17時