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「いや、知り合いというか、、、前にイベントで一緒になりましたよね?」
彼女が俺のことを認識していると思うなんて自惚れかな、と思いながら問いかける
「あ、、、はい。一緒になったというか、すれ違ったというか」
彼女の返答を聞いて、思わず笑みが漏れる
やっと会話ができた
「そうそう。ほんと、一瞬すれ違ったんですよね」
「ふーん。一瞬だったのによく覚えてるのな」
何かを察知したのか、訝しげな視線を俺に向ける臣
「隆二さんお疲れ〜」
不意に声をかけられて辺りを見回すと、臣の隣にいたらしい岩ちゃんを発見する
「ああ、岩ちゃんだったのか。お疲れ。机に突っ伏してるから誰か分からなかったよ」
相当酔っているらしい岩ちゃんは、俺の返事を聞くと笑顔を見せてまた元の姿勢に戻った
「岩ちゃん何かあったの?珍しく酔ってるね」
「知らん。まあ、岩ちゃんもいろいろあるのかねえ。隆二も撮影お疲れ」
グラスワインを手渡してくる臣も、口調と表情が酔ってる時のそれだ
「ありがとう。てか、お邪魔して大丈夫だったのかな?しっかりしたパーティーだけど」
それぞれ盛り上がってるテーブルに目を向けながら、早乙女さんを見る
「あ、全然問題ないです!もう、どこの誰か分からない人ばっかりなんで」
手をぶんぶん振り回す彼女が面白い
「ならよかったです」
そう呟き、少し緊張しながら隣に座った
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作者名:はるまき | 作成日時:2024年1月19日 17時