chemistry (ページ37)

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早めに撮影が終わり、数時間放置していたスマホを確認すると、臣から連絡が入っていた

「今、撮影終わった、っと、、、」

衣装から私服に着替え、荷物をまとめて帰る準備を始める

すぐに臣から返信がきていて、店の詳細が送られてきていた

場所は偶然にも今いる撮影スタジオのすぐ近く

車を用意しようとしてくれていたスタッフに断りを入れ、挨拶を済ませると、スタジオの外に出て歩き始める

2人との食事では珍しいイタリアンレストランだな、と思っていると追加でメッセージが届いた

"貸切って看板出てると思うけど、入ってきて大丈夫"

"今日の舞台の皆さんの打ち上げに参加させてもらってる"

「えっ」

まさかの状況に声が漏れるが、気付くともう店の前

店の前にはブラックボードが置かれていて、チョークで"本日貸切"と書かれている

あたたかい照明の店の中を覗くと、ドアから真っ直ぐのところに臣を見つける

ちょうど目が合い、何か言いながら高く手を挙げている

ドアを開けて店内に入ると、辺りを見回しながら臣のいるテーブルまで歩いて行った

「お疲れ」

声をかけると同時に、俺の隣にいた人の視線がこちらに向くのが分かって、そっとそちらを見る

「あっ」

驚きを抑えきれず、思わず声が出てしまい、それを隠すように咳払いをした

早乙女さん、、、

彼女とこんなに至近距離で目が合うのは初めてで、なぜか目を逸らすことができない

「あれ、隆二、Aちゃんと知り合い？」

臣の声にハッと我に帰ると、お互いに会釈し合った

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