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今日の衣装は全身白のスーツ
普段あまり着ない服装は、自分でも見慣れなくて何度も見下ろして確認してしまう
その時
自分とは対照的の黒い衣装を着た人物が視界の端に入り、なんとなく目を向ける
ロングブーツと素肌の透けるタイツを履いた、スラっと伸びた脚が軽やかに歩みを進める
胸元の開いたミニドレスに、かっちりとしたジャケット
黒い髪はゆるくまとめられていて、全体のバランスをとっている
いつの間にか彼女の隣に来ていて、すれ違う瞬間、2人の視線が交差する
目を離すことができない
言葉を発することもできない
周りの音も耳に入ってこない
こんな経験はしたことが無かった
どこからかスタッフの誰かを呼ぶ声が聞こえてきて、ハッと我に帰る
目の前の彼女が掠れた声で返事をするのを聞いて、ああ、彼女を呼んでたんだと頭で理解するものの身体が動かない
撮影スペースへ向かう彼女の後ろ姿を見つめながら、さっきの視線の熱さを思い出さずにはいられなかった
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彼女のこと ーside Rー→←crush ーside Rー
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作者名:はるまき | 作成日時:2024年1月19日 17時