chemistry (ページ27)

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「次、この衣装での最終ショットになります。おふたり隣り合ってもらって」

今市さんの背中から離れて、隣へ移動する

移動する間も、お互いの手は離れることがなく、まるでエスコートされているかのよう

「早乙女さん、今市さんの肩を組むように片手を首辺りに回してもらって。そう、リングが見えるように。」

腕を今市さんの肩に回す

今日何度かしたポージングだからか、すぐにここ、という位置がピタッとハマる感覚があった

「そう、もう片方の手は今市さんの胸元に置く感じでこっちのリングも見せてください。今市さんは目線だけください」

そっと今市さんの胸元に手を添えて、少し目線を上げると目の前には綺麗なフェイスライン

そして喉仏

形のいい唇に、整えられた髭、ツンと尖った鼻に、切れ長の目

完璧な横顔

「いいですね！じゃあ最後、おふたり目線を合わせてもらってラストショットにしましょう」

カメラに向けていた今市さんの目線が、ゆっくりと私の方に向く

まるでスローモーションのように

彼がこちらを向き切る前

一瞬のその間に

私は確信してしまった

今市さんのことが好きだと

身体で感じる自分の鼓動と

指先から伝わってくる今市さんの鼓動

これが何よりの証拠である、と

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