春 ページ17
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「おはようございます」
会議室のドアを開けると、ふわっと淹れたてのコーヒーの香りが漂っていて、眠気に負けそうになっていた気持ちがシャキッとする
「早乙女さん、忙しいのにわざわざありがとうね」
「いえいえ!私も帰国してからすぐ来られなくてすみません。公演終了まで待っていただいて助かりました!」
「迷わず来られたようでよかった」
「迷ったんですけど、地図アプリ見ながらなんとか辿り着きました、、、」
「駅からここまでの距離で地図アプリ開くのは、きっとAちゃんくらいだよ」
あはは、とスタッフの皆さんの笑い声が響く、なんとも温かい雰囲気の職場
今日はモデル事務所の打ち合わせでオフィスまでやってきた
メディア関連の仕事を区別するため、バレエ団とは別に所属している
これまではアメリカからリモートで参加することが多かったため、現地に来るのは数年ぶり
久しぶりに直接会うスタッフさんが次々と声をかけてくれて、ほっこりとした気持ちになる
「じゃあ、打ち合わせ始めていきますか!まずはAちゃんおかえり〜!待ってたよ!!」
私の担当マネージャーである、夏目さんが拍手で迎えてくれて、なんか照れるなと思いながらぎこちなく会釈をする
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作者名:はるまき | 作成日時:2024年1月19日 17時