人見知りな女の子が頑張る奮闘記。【ワールドトリガー】

冬島隊 ページ11

「今シーズンのランク戦、最終結果が出ました！」

＿＿＿ここではランク戦を行っている様子をリアルタイムでいて、とても大掛かりなモニターで観戦することができる。

冬島隊は仲良く4人で並んで腰をかけ、ランク戦の最終結果が発表されるまで観戦していたところであった。
普段なら絶対に並んで腰をかけるなどしないが、今日は特別である。

なんといっても、今日はランク戦の結果を元に遠征部隊の発表でもあったからだ。ちなみに、遠征部隊の選抜試験は既に終えている。

あとは両方の結果を待つのみだ。

途端、パッと画面が切り替わり、ランク戦の最終順位と隊の名前が映し出された。

「2位だ！2位！」と、表示された結果を見てAは小さく手を叩く。

「おー、俺達もついに2位かぁ」と、当真は後頭部で手を組んだ。

喜びをあらわにしているAとは対照的に、当真や真木、冬島はさほど喜んでいる様子では無かった。

この結果が当たり前か、もしくは2位という結果に不満を抱いているのかもしれない。

「……なお、上位4チームは今度の遠征部隊となり、選抜試験は合格ということになります」

上位4チーム、ということは。

Aは俊敏な動きで鳩原のいる二宮隊が座っている方へ目を向ける。

＿＿やった、やったよ。やったね。未来ちゃん。

本当は今すぐ彼女の元へ飛んでいきたい気持ちだったが、代わりにその喜びを目で訴え、Aはブンブンと鳩原に手を振る。
それに応えるように鳩原も控えめに手を振った。

普段から表情こそ乏しいが、鳩原もどことなく嬉しさを噛み締めている様子だった。

「良かったな、A」

当真は結果や遠征に本当に興味がないのだろう。欠伸を噛み締めながら他人事のように言った。

「みんなは嬉しくないの？」

喜びを共有したいというのに自分だけ興奮していることに疎外感を覚え、Aは皆の顔色を顔色をうかがう。

「……まぁ、俺は無邪気に喜ぶ歳でもないから、ほら｣

冬島は頬を掻きながら、どこか居心地悪そうに笑った。

「やるなら1番」

真木は腕と足を組み、そう言った。

なお、当真は組んだ腕を枕にして机に突っ伏している。本当に興味が無いのだろうか、寝ているのだろう。

「……みんなって、ほんと冷たいよね！」

Aは喜びを分かち合うため、すぐさま鳩原にメッセージを送る。

もはや自隊の面々と喜び、笑い合うことなど期待していなかった。

絵馬ユズル→←荒船哲次

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