最終章 あれから中編 ページ48
ー数週間後 神羅高等学校 一年A組
｢おはようございます。皆さんにいいお知らせがあります。今日からこの一年A組に転入してきた、天馬クリスさんです｣
(えっ……?!エリス!?なんでここに!!?)
｢……初めまして。天馬クリスと言います。これから皆さんと仲良くなりたいと思います。よろしくお願いします｣
天馬クリスと名乗るエリスはにこりとクラスメイトに挨拶した。
ー神祇本部 司令長室
学校が終わった僕とエリスは弥生さんから呼び出しを受け、神祇本部に来た。他のみんなもこの後来るそうだ。
｢ええっ!!?ヒガンのみんなを僕たちの学校に入れることにしたんですが!?｣
｢声が大きいよ……Aくん……ヒガンにはまだ未成年の子達がいたからね。ちゃんと学校は通わせたくてね。エリスちゃん、シンくん、メアリーちゃん、イルくんを神羅高校。レイジくん、ユリアちゃん、アルムちゃんを天宮高校。キラくんは星倉中学校に転入手続きを私の方からしたんだ｣
｢そうだったんですか……急に知っている人がクラスに来たからびっくりしましたよ〜｣
｢まあちょっとしたサプライズって感じかな｣
｢サプライズにしては大きすぎませんか……？｣
｢Aさん。驚いて頂けましたか？これからよろしくお願いしますね｣
突然エリスが覗き込むように僕に話しかけてきた。
｢うわっ!?びっくりした！エリス……じゃなくて、クリスって言った方がいいかな？｣
｢どちらでも大丈夫ですよ。エリスは偽名で、クリスの方が本名ですから｣
｢あ、そうだったんだ。じゃあクリスって呼ぶね｣
｢ほかのメンバーも元の本名になっていますからね。イルさんだけは例外ですけど……｣
｢そういえばイルさんって過去の記憶をなくしてるんだっけ？｣
｢そうですね。ヒガンにいた時もボスとイルさんのことについて調べていたのですが……何もわかりませんでした……｣
クリスの目には涙が溜まっていた。ジョーカーを残していってしまったことを悔しく思っているだろう。
｢……そっか。ジョーカーのことは残念だったけど……あの人はきっと君たちに生きていてほしいって思って、あの時逃がしてくれたんじゃないかな？……僕はあの人のことを知らないから、なんとも言えないけど……｣
｢そうかもしれませんね……あの人なら、きっとそうしますね……私は皆さんの役に立ちたいです！こんな私たちを救ってくれた神祇や皆さんに恩返しがしたいです!!｣
クリスは涙を流しながら、笑顔で自身の決意を言った。
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作者名：ムラサ | 作成日時：2020年5月15日 17時
