十二章 自分が犠牲になろうとも�� ページ37
「いや〜人間どもの絆っていいよな〜涙が出てきそうだぜ〜それで？どうするんだ？」
ヤトは薄情なことをつぶやくと、そう問いかけてきた。僕らの答えはもちろん……
「僕ら神祇も君の試練に参加するよ」
「……そうか。それなら少し難易度を高くしないとな〜あ、そうだ！」
ヤトは何か思いつくような素振りをすると、誰かを呼ぶように大声で叫んだ。
「おーい!!!!ナビ〜‼こっちに来てくれ〜!!」
「お呼びでしょうか。ヤト様」
いつの間にか眼鏡をかけた男の人がヤトの隣に立っていた。
「おう。随分前に創った“あれ”ってもう使えるか？」
「はい。既に最終テストも終わり、いつでもご使用できます」
「うし！なら決まりだ!!おい人間ども！一部内容を変更したが、これより試練を始める！ナビ、あれの準備をしてくれ。あとあいつも連れてこい」
「かしこまりました」
ナビと呼ばれる眼鏡の男性はそう言うといつの間にかどこかに消えてしまった。
「お待たせしました。あれの準備が整いました。この方もお連れしました」
ナビが数秒もたたないうちに瞬間移動で戻ってきた。そしてナビのそばには拘束されたジョーカーの姿があった。
「皆さん!！ご無事でしたか⁉」
「ボス！！」
「マスター‼」
ヒガンのみんなは心配そうにジョーカーの名を叫んだ。
「みんな無事でよかった……神祇の皆さん私のせいでこんなことに巻き込んでしまい申し訳ありません……それに私なんかのために試練を挑むとは……」
「これは僕たち神祇が出した答えです。困っている人がいれば助けるのが僕らの役目ですから！」
僕はジョーカーに目を向けてそう言った。
「どうやら……私の考えは間違っていたようですね……」
「お前ら久々の再会に喜んでいるところ悪いんだが、おしゃべりしているのも今のうちだぞ？こいつに来てもらったのはお前が全員死ぬ様を見せつけるためだよ」
「っ‼」
「おい。ナビ。あれを出せ」
「かしこまりました」
ナビは指をパチンと鳴らすと僕らの目の前に約２ｍ以上の巨大なまがれが現れた。巨大なまがれは大きな雄たけびを上げると同時に僕らに向けて拳を振り上げてきた。僕らはすぐさまその場から回避した。
「ウチがお前らに与える試練はこの巨大なまがれを倒すことだ!!ちなみにこいつは異形界に生息している野生のまがれとは格が違う。こいつはウチらが創りあげた特別製のまがれだ!!!!」
次回に続く
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作者名：ムラサ | 作成日時：2020年5月15日 17時
