十二章 自分が犠牲になろうとも�� ページ36
ヤトの声が聞こえた方を見ると、そこには褐色の肌で短髪の少女が立っていた。
「君が……ヤト……」
「ああそうだ。緑髪。面と向かって話すのは初めてだな。いや〜悪かったな〜ウチほんとに能力を制御するのが苦手でさ〜おっと。話がそれたな。お前らはヒガンのボスを取り戻したいっと言っていたな。一応あいつから事情を聞いたが、どうやら関係ないやつらも混ざっているみたいだな。試練に挑むか挑まないか、好きなほうを選びな」
ヤトが言っていた関係ないやつらはきっと僕たちのことを言っているのだろう。
「Aさんと神祇の方々。これは私たちの問題です。私が言うのはおかしいと思いますが、貴方達を巻き込みたくないのです。元々ここに来たのは私たちヒガンのせいです。なので、試練は私たちヒガンが」
「その必要はないよ」
「え？」
エリスは驚いた表情をして僕のほうを見た。
「これは僕の勘だけど、ヤトが与える試練はきっと一筋縄ではいかないものだと思う。君たちだけでは危ないよ。それに試練を受けるのは大人数のほうが有利になるしね。今は一時休戦という形で協力して、ヤトの試練をクリアしよう！みんなそれでいいかな？」
「俺はヒガンがこれまで犯してきた罪は許されないが……お前らが困っているのなら手を貸してやる」
「A君の言うとおり、相手は相当な力を持っていると思う。それに君たちをここで見殺しにはしたくない。私たちでよければ、力になるよ」
「俺はどっちでもいいけど、君たちが困っているのなら力を貸すよ〜」
「わ、私も皆さんの役に立ちたいです！」
「私も！困っている人を助けるために神祇に入ったもん！ここで見過ごしたら、神祇に入った意味がないもん！」
「僕も力になるで〜君たちと仲良くなりたいし〜」
「うちもだな。こんなところで逃げ出したら、最年長の恥だ。それにまだ暴れ足りないしな！」
「皆さん……ありがとうございます！」
エリスは少し涙目になりながら、僕らに向かって頭を下げた。エリスに続き、他のヒガンのみんなもぺこりと頭を下げた。
「ちょ、ちょっと！頭を上げてよ！」
「いえ。せめて頭を下げさせてください。皆さんにはなんとお礼を言えばいいか……」
「お礼は試練をクリアしてから受け取るよ。みんなで一緒に試練をクリアしよう‼」
次回に続く
十二章 自分が犠牲になろうとも�ア�←十二章 自分が犠牲になろうとも��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ムラサ | 作成日時：2020年5月15日 17時
